最近よく聞く『HSP』って何?HSP当事者がHSPについてまとめました

最近、テレビやSNSでよく目にするようになった『HSP』と言う言葉。
ロンブーの田村淳さんを始め、有名人の方々がご自身がHSPであることを公表したことで注目され始めています。今回は、HSPとは何なのか、HSP当事者が抱える葛藤や苦悩、HSPに対してどう接したら良いかをHSP当事者ライターがまとめました。

こんな人もいるんだ、こんな気質があるのかと知っていただくきっかけの1つになれば幸いです。

HSP(エイチ・エス・ピー)とは?

HSP(エイチ・エス・ピー)は、Highly Sensitive Personの略で、米国心理学者のエレイン・N・アーロン博士がまとめあげた概念です。一般的に繊細、内向的、神経の細やかさ、高ぶりやすさ、感受性が強い、敏感な人たちが持つ気質で、日本語にすると「とても敏感な人」ですね。

アーロン博士は、HSPは環境や性格などの後天的なものではなく進化的な理由という観点から先天的な気質、生まれ持った性質であると主張されています。HSPが持つ刺激への過敏さは、脳の「扁桃体(へんとうたい)」の働きが生まれつき強いためと言うことが分かっています。扁桃体は、不安や恐怖を感じたときに活動する脳の部位です。

この『敏感な気質』は統計的には5人に1人があてはまると言われ、ごくごく少数派ではありません。
しかしながらHSPが認知され始めたのは最近のことでなかなか共感を得ることが難しく、当事者は生きづらさを感じやすくなる傾向にあります。実際、HSP当事者である私もHSPであることが分かったのはごく最近でした。

HSPの特徴

HSPの特徴は根底に下記4つ全てがあり、1つでも当てはまらなければHSPではないと言われています。

・深く処理する
・過剰に刺激を受けやすい
・全体的に感情の反応が強い
・共感力が高い

HSPの人は、音、光、服の素材、人の何げない態度や言葉などに非常に敏感に反応します。

一般的な感覚の人が気にならない物や出来事にも過剰に反応するので、脳は情報処理で忙しく非常に疲れやすいとも言えます。

他人の何げない態度や言葉を深く考え込んでしまい、負のループに陥りやすいのもHSPも特徴の1つです。全く悪気はないであろう一言により激しい動悸がしたり何日も引きずって辛い思いをしたりします。

さらに、HSPは過剰なほど空気を読んでしまのうで、周囲の人の気分や感情がよく分かってしまい良くも悪くも他者の影響を受けやすいです。
(筆者の個人的な出来事も含まれるので、全てのHSPの人にこれらの症状が当てはまるわけではありません)

ご自身がHSPがどうか知りたい場合は、下記サイトのテストやチェックリスト等をご参照くださいね。
HSP診断テスト
Are You Highly Sensitive?

HSPが「HSPであること」を認識する必要

HSP当事者である私自身は、自分が「非常に敏感な性質を持っている」と分かったことで、色々な苦しさや大変に感じていたことを納得できるようになり、それだけで少し楽になりました。

自分のセンサーが少し周りの人より敏感なだけで、
敏感でない人が悪いわけでは決してないのです。
生ききづらいのは自分や相手のせい
でもなく
気質とそれに伴う思考のためなのだと、理解できました。

ですからHSPの可能性がある人にとって大切なのは『まず、知ること』だと思います。

HSP当事者は、自分のどの感覚が特に敏感で、どんな特性でどんな性格・人格なのかよく把握することが大事です。そして敏感すぎる自分を責めずに

「私にはこういう特徴があり、このような思考の癖や認知の歪みがあるのだ」と受け入れることです。

受け入れるだけでも、感じていた生きづらさや悲しみ、悩み苦しみから少しだけ距離をとることが出来るようになります。

自分の気質や性格を受け入れるには、マインドフルネスや瞑想も役に立つので、こちらの記事も是非参考にされてみてくださいね。
無心を目指さない、「ゆるっとメディテーション」のススメ。

周りにHSPがいたら

統計的には5人に1人があてはまる気質のため、家族や友人、会社関係者の中にこの気質を持っている人は程度の差はあれ必ずいると思います。

周りの人間にHSPらしき人がいたり、HSPであることを公表されても、
特別扱いする必要はありません

むしろ、HSPは特別扱いされて気を遣われることに余計に気を遣ってしまうことも。
特別扱いする必要はありませんが、HSPで敏感な気質を持つ人々は『一般的に当たり前のこと』『普通のこと』でも難しいことがあると知っていただけるとありがたいです
例えば、大人数での会食やプレゼンは過度に緊張してしまうので能力を発揮しにくいです。HSPは気質なので特別な治療法があるわけでもなく、本人の努力ではどうすることも出来ないこともあります。

ただ、HSPはいい面も沢山あるので、いい面を活かした仕事に就くと能力を発揮できると思います。
多くのことを敏感に察知するのでグループの統括や現場監督、相手の気持ちになって考えられるのでサービス業、顧客対応等、感受性を活かした芸術関係等は向いていると思います。テレワークもHSPにとってストレスの少ない環境ですね。
当事者としては、HSPをあらゆる「出来ない」ことへの言い訳にするのは少し違うかなと感じています。しかし本人の努力をしても尚、「難しいこともある」この点を少し理解していただけるとありがたいです。

最後に

HSPは色々な刺激に弱いので、正直疲れることも多いです。しかしHSPの認知度が少しずつ上がり始め、HSP当事者も知識を得ることでこれからの未来は変わると考えています。

生まれ持った気質なので刺激を受けなくすることは出来なくても、認知の歪みや考え方、捉え方を変えることは出来ます。
環境や他人は絶対に変えられませんが、自分の認知は変えられます^^

自分の考え方や認知の歪みを捉え直し、HSPのいい面にフォーカスしていこうと当事者の私は考えています。今後、HSPの私が有効だと感じた思考法など記事として紹介させていただきますね。

どうしても今、生きづらく苦しいHSPの方は、カウンセリングを受けられることもおススメします。

HSPや当事者の考えについて、少し知っていただくきっかけになれば嬉しいです!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

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