
「名古屋飛ばし」はもう古い? 高さ211mの新ランドマーク誕生で、名古屋が“行きたい街”に変わる
「東京や大阪、京都には行くけれど、名古屋は素通り」——旅行先を選ぶとき、そんなふうに名古屋が後回しにされてしまう傾向は、これまで「名古屋飛ばし」という言葉で語られてきました。ところが今、その名古屋が国内外の旅行者を本気で呼び込もうと、街そのものを大きく変えようとしています。今回は、名古屋で続く大型開発の動きと、その狙いをわかりやすくご紹介します。
栄に誕生した高さ211mの新ランドマーク
2026年6月11日、名古屋・栄の中心部に、エリアでもっとも高い複合ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」が開業しました。高さは約211メートル、地上41階建て。三菱地所をはじめとする企業グループが手がけた、栄の新しいシンボルです。
低層階には、東海地方初出店のブランドや高級飲食店など、あわせて65店舗が集まる商業施設「HAERA(ハエラ)」が入りました。東京以外で初めて店を構える高級焼き肉店や、1万円を超えるチョコレートケーキが並ぶスイーツ店など、ちょっと特別な体験ができるお店が話題を集めています。栄エリアで初となる「TOHOシネマズ」の大型映画館も入り、買い物・食事・娯楽がそろう一大スポットになっています。
「東京以外の初出店なら大阪では?」と思いきや、あえて名古屋を選ぶお店が増えているのもポイントです。名古屋を中心とする愛知県は製造業の経済規模が全国トップクラス。確かなものに価値を見いだして購入する、堅実で目の肥えた消費者が多いことも、出店を後押ししているようです。
上層階には「コンラッド名古屋」が開業へ
このビルのもうひとつの目玉が、上層階に2026年7月31日に開業を予定している高級ホテル「コンラッド名古屋」です。コンラッドは、ヒルトンが展開するラグジュアリーブランド。名古屋への進出は、海外の富裕層を呼び込む切り札として期待されています。
客室はすべて50平方メートル以上というゆとりの広さで、全170室のうち29室がスイートルーム。最上階となる40階には、200平方メートルを超える最上級スイートも用意されます。窓いっぱいに広がる夜景とともに過ごす滞在は、まさに非日常そのものです。
実は、超高級ホテルがないことは、これまで名古屋が「大物アーティストの公演や大型ビジネスで選ばれにくい」理由のひとつとも言われてきました。世界に名の知れたホテルブランドが入ることで、その弱点が解消されると見られています。
名古屋を「通過点」から「滞在拠点」へ
名古屋では、ほかにもラグジュアリーホテルの開業が相次いでいます。こうした動きの背景にあるのが、名古屋を旅の「ゲートウェイ(玄関口)」にしようという戦略です。
名古屋を拠点に滞在しながら、歴史ある城下町の風景や、お隣の県の観光地へ足をのばしてもらう。たとえば、ヨーロッパの富裕層にも人気のモータースポーツの聖地・三重県の鈴鹿などは、その好例です。世界的なVIPが訪れれば、同行する人々やビジネスのチャンスも生まれ、さらに人を呼び込む好循環につながると期待されています。
開発に携わる企業も「名古屋はこれまで、その潜在力に比べて過小評価されてきた面がある」と語ります。豊かな経済力と、周辺に広がる多彩な観光資源。そのポテンシャルが、新しいランドマークの誕生をきっかけに、いよいよ世界に向けて開かれようとしています。
まとめ
「名古屋飛ばし」と言われた時代から、名古屋は今、大きく生まれ変わろうとしています。エリア最高層のランドマークビルに、世界的ブランドの高級ホテル。旅の目的地としても、暮らしを楽しむ街としても、名古屋はこれからますます注目を集めそうです。お出かけ先の候補に、ぜひ名古屋を加えてみてはいかがでしょうか。


